岩手県の北部、八幡平市にある安比高原は1000年以上前から牛馬の放牧によって草原として維持されてきた場所だという。それが30年ほど前に放牧が停止されて以来、草原が森林に戻りつつあるそう。
その草原を馬と共に取り戻そうと活動されているのが地域おこし協力隊の文子さん。
放牧されている馬は、草を食べるという大切な仕事を担っているのだ。
母の知人でもある文子さん。そんなご縁で安比高原へとやってきた。
ここには草原を取り囲むようにブナの二次林が広範囲に広がる。二次林とは、その土地に本来あった森林が、台風や噴火などの自然災害や伐採などによって失われ、その後に自然に再生した森林のことをいう。
この辺りは昭和初期には炭や薪にするために盛んに伐採が行われていたという。そんな中、伐り残された親木から落ちた種子が発芽し、こうして80年近い時を経て再びブナの林として蘇ったのだ。
すごいな~
文子さんの案内でブナ林を散策したあとは、馬の放牧地へ。馬に乗るよ~
ここには8頭の馬が放牧されている。
母の師匠で遠野で馬搬の技術を継承されている岩間さんの馬で、夏の間だけ避暑のためにここの草原にやってくる。
カナダで撮影の仕事をしていた時に馬に乗っていたというノブ。乗るのはそれ以来というのに、物ともせず一人で乗りこなしちゃうから、さすがだよね~
私も挑戦してみたけど、見るとやるとは大違い!全く歩いてもらえず、引き馬止まり~
でも母に引いてもらう馬に乗るのは、とても良い体験でした!
紅葉スポットとしても有名な安比高原。
シーズンの終わり頃だったので大分葉が落ちてしまっていたけれど、それでも黄色や橙色の淡い色調の紅葉はそれはもうとても美しかった。
美しい景色と共に草原で馬に乗る。自分が一体どこにいるかわからなくなるほどの異空間。日本にもこんな場所があったのだな〜
ニュージーランドでは至るところで見かけた馬。草原で草を食む姿によく見惚れたもの。ただその多くは乗馬のための馬だったり、ペットだったり。
日本に限ったことではないけれど、日本にはかつて暮らしと共にはたらく馬の姿があったという。ペットではなく共生していた。山から切り出した丸太を運んだり、田畑を耕したり、移動手段として使ったり。まさに馬力!
日本にも馬がいない訳ではないらしいけど、悲しきかな、日本にいる馬のほとんどはなんと食肉用だという!ショック~
機械化と共に消えていってしまう文化、伝統。より早く、より多く、より楽に。
でもそれで私達は本当に幸せに向かっているのかな?
文化や技術の消失と共に、大切なコトや大切なモノをどんどん失ってしまっているような気がする。
日常にはたらく馬がいる空間、馬のいる風景を取り戻したいと奮闘している母。
私も限りある人生の中で後世につながる何かを残したいと思っている。それが何かはまだはっきりとしていないのだが、日本の暮らしの文化とか、人から人へ伝えなければ消えていってしまうようなこと。
四苦八苦しながらも日々精進しながら夢に向かって歩む母の姿から学ぶことは多い。そして、おばさんがそうやって頑張ってるんだから私にできない訳がない!と妙なやる気と勇気をもらっているのです。笑
かつてあった景色が未来に取り戻せますように。
そしてみんなが共に生き、楽しく、笑って暮らしていますように。
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