岩手県南東部の内陸に位置する遠野。
縁も所縁もなかったこの地に縁ができたのは、2年半ほど前。
私の母がこの地に移り住んだのだ。
昔話に出てくるような風景が広がり、私の生まれ育った環境とは全く違う風景なのに、どこか懐かしさを感じる。
“日本のふるさと”と呼ばれる所以がわかるような気がする。
遠野に来るといつもあまり時計を見ない。
「ケッココッ~」
音痴な烏骨鶏の鳴き声で目が覚める。
起きて、布団を畳むと、朝ごはんの前にひと仕事。
時計で動くのではなく、身体が動く。
暮らしのために、はたらくことは気持ちがいい。
馬に青草を食べてもらうために朝の散歩。
朝の静けさの中、パカパカと馬の足音が響く。
卵を温める烏骨鶏。
雑巾をギューっと固く絞る。
クイックルワイパーが普及している今、こんな光景も消えつつあるのかもしれない。
肌寒い朝の空気の中でも、雑巾がけをすればいつの間にか身体はポカポカ。
裸足はやっぱり気持ちがいいな~
台所からお出汁のいい香りが漂ってくる。
ひと仕事終えてから、朝ごはん。それがまた美味しいの。
時計が刻む時間は同じはずなのに、ゆっくりと時間が流れていく。
まだ朝の7時30分。
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