小さな小川を何度か越えながら、くねくねと曲がりくねった砂利道を登っていくと、さっきまで横目で見ていた海が眼下に広がっていた。
あの日、あの場所に向かうまでの道のりはとても印象的で、高度が上がるたびに見える景色はより美しく、その景色ひとつひとつを見落としたくなくて、度々車を止めては外に出てカメラのシャッターを切った。
この先に何が待っているのだろうという期待感と緊張感とワクワク感が今でも昨日のことのように思い出される。
向かった先はTAKAKAの山の上にあるANAHATA YOGA RETREAT というヨガのアシュラム。
ウーフの日々に少し疲れが見え、ヨガに没頭したいという衝動から7月の1ヶ月の間ここに滞在することを決めた。
Kirtan(歌うヨガ)、YogaNidra(眠りのヨガ)、Havan (ファイヤーセレモニー)など毎日、毎週、今まで経験したことのない様々な種類のヨガを体験し、心も身体も充実の日々。
中でも私が一番楽しんだのがKirtan。去年コスタリカのリトリートに参加した時にも体験したことがあったのでkirtanがどんなものかは知っていたけれど、今回はより深く体験することができ、それはもうkirtanに惚れました!
kirtanとは、サンスクリット語で歌うという意味。ハーモニウム(アコーディオンと同じように風を送って音を鳴らすピアノ)やギターなどの音楽と共にリードする人が先に歌い、続いて参加者が繰り返して歌うというコール&レスポンス形式。短いマントラを繰り返し歌うので、無理に覚えようとしなくても繰り返す中で自然と覚えることができ、年齢も性別も国籍も文化も関係なく誰でもすぐその場に参加できるという素晴らしさ。そしてみんなで作る音のヴァイブレーションがとにかく美しくてパワフル!
昔から歌うことに対して苦手意識があった私。気づけば最初のクラスの日から音楽に合わせて自然と身体が動き、手拍子をし、目を閉じて大きな声でマントラを唱えながら、その場に広がる音のヴァイブレーションを身体と心いっぱい楽しんでいる自分がいた。歌が下手だから恥ずかしいという意識はどこかへ消え、まさに音を楽しんでいた!歌っている間、余計な考えは浮かばず、まるで瞑想状態。座ってじっと瞑想するより100倍楽しい!温かくて、平和で、幸せな時間。
Kirtanのおかげでいつからか自分の中に出来てしまった硬くて冷たいシコリが少しずつ溶け、解放されていくのを感じた。
歌と踊り。遠い昔から続くこの文化はDNAにしっかりとその要素が刻みこまれているように思う。どちらも馴染みがなく、苦手意識を持っていたけれど、それは誰のせいでもなく自分自身で壁を作りその中に閉じこもっていただけだったみたい。勇気を出して一歩外に出てみたら、あれ? た、楽しい!私でも歌い、踊れる~
まだ多少の恥ずかしさはあるけれど、ダウンロードしたKirtanを聴きながら自分の内側から湧き起こるエネルギーを感じ、今日も歌い、踊る自分を楽しんでいる。そして、こんな変化が自分に起こったことに誰より自分自身が驚いている。
Kirtanに出会えてよかった~
老若男女問わずKirtanは本当におすすめ!ぜひ体験あれ~
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